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わたしの記録です


by ryot1125
    *パースの冬もまたいい

 儚なそうな水色の空が大空を染め、
その下に、何時もの景色が広がっている。
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突然、片側の空が灰色の雲に覆われて、
雨のシャワーが地上を潤したかと思うと、
すぐ嘘のようにやさしい青空に変わる。
わたしは、何度も騙されては
洗濯物を取り込むのに忙しい。
この雨は天の恵み、夏の砂漠の台地に必要だ。
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 昨年は、窓に突然バチーンと
石が飛んで来て、何事かと緊張した。
石ではなく大きな雹だった。

娘達のオフィスの近くでは、
ピンポン玉位で、車が軒並み
ポコポコに傷ついたと言う。
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翌日外車の展示所の前には、傷ついた
車がバーゲンで何台も並んでいるのは
圧巻で、ちょっと座ってみた。
それでも1千万以上の価格にこの方が
驚きだった。
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災害は、山火事や竜巻、洪水等も
あると聞いたが、地震や火山の爆発も
あるのだろうか。
日本のことが気になる。

朝晩は、肌寒い時があっても、
日中は温かくて心地良い。
夏に弱いわたしはこの季節が好きだ。
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昼間誰もいない家で、ほんの少し仕事を、
ほんの少しガーデニングをして、
広い庭の花と緑を眺めるのもいい。
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素敵な音楽が流れる中、本を読んだり、
コンピューターに触れていると、
何時の間にか静かな夕暮れがやって来る。
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そろそろ、夕食の支度でもしようかな……
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# by ryot1125 | 2011-06-19 01:00
*織田広喜画伯の油絵
「一枚の絵」の展覧会で一人の画家の絵に憧れた。
45年前、仙台の公団に住んでいた頃である。
高くて買えなかった。

手っ取り早く自分で描くことにして、
油絵の画材一式を初めて買った。
6号キャンバスに花を描いて額に入れて飾り、
8号には、当時幼稚園生の娘を座らせて描いた。

川崎の自宅のピアノの上には、小さな娘が座っている。
「花は持ってなかったし、髪の花飾りもなかったわ……」
絵を見る度に娘は言った。

山手に家を新築したが、
憧れの絵は飾ることはなかった。

夫が東京勤務になり、銀座の画廊をのぞくこともあったが、。真っ赤な帽子の少女の絵は、ウインクしながら遠ざかって、すっかり忘れてしまった。
 
一昨年の師走、妹と銀座の並木通りを歩いていると、
妹は画廊の前で足を止めた。
「あら、素敵ね」赤い帽子の絵の案内を見て言った。
エレベーターのない狭い階段を昇った。

赤い帽子の少女の絵が数点あった。欲しいと言う意欲はもうわたしにはなかった。
お茶を頂きながら観ていると、あどけない少女がわたしを見ていた。クリーム系の6号の絵である。
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白いレースのベール姿で風の中に立っている。
遥か遠い丘の向こうから来たのだろうか。
左胸がない。右胸だけに花飾りがある。
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わたしは、乳がんで左の乳房を手術をした自分に置き換えていた。
何と幸せな遠い道をわたしは歩いて来たのだろう。
急に懐かしい人に出会えた感じがした。

「明日死んでも悔いがないように買って楽しむわ……」
「どうしたの急に」妹は心配そうにわたしを見ていた。
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店主の女性は「先生は96歳、この絵は裸婦だったのを、先日頼んで洋服を着せてもらったのよ……」と笑いながら言った。
わたしはずっと若い画家と思っていた。
そのすぐ後、「オール読み物」に画伯のことが載っていた。
愛妻を十年以上も看護しながら、今もひたすら絵を描き続けているやさしい画家の姿を……

パースのわたしのベッドの傍には、
この絵の写真が飾られている。
「ママらしい絵ね」娘は言った。
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# by ryot1125 | 2011-06-16 19:17
* 花のある生活
 
川崎のマンションに住んでから25年、
二部屋の窓辺に花のプランターを飾り
楽しんできた。
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それが私の美しく生きようとする
原点のような気がしている。
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 最初はピンクのペチニアだった。
多忙になるにつれ、植え替えと水遣りが
大変になった。
そのうち、ゼラニュウムの赤やピンクの花が
主流になった。
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夫の入院で長く家を空けて帰宅すると、
傷心のわたしを慰めるように、
嘘のように満開に美しく咲いてくれた。
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 「ありがとう。綺麗に咲いてくれたのね……」
思わず話しかけた日々は忘れない。
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 夫が亡くなってからは、
マンションの部屋を間違えぬようにと
祈るように花を育てた。
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あれから19年、窓辺の花と共に
生きて来たことになる。
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パースの娘の庭も
ゼラニュウムの花が多くなった。
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昨年植えた花は1メートルの高さになり、
来年はどうなるのだろうか

仕事で多忙な娘達でも枯らさずに
ブーゲンビリアと共に
庭を飾ることが出来る。
 手入れをせずとも、年中花をつける、
健気な花たちである。
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# by ryot1125 | 2011-06-15 14:57
*東日本地震災害から3ヶ月

3月11日の東日本地震から3ヶ月が過ぎた。
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あの日わたしはテレビの国会中継を観ながら
一人腹を立てていた。
くだらない国会の質疑に、あきれて
他のチャンネルを廻そうとした。
瞬間、ジャラジャラと赤の囲みで
「大地震注意報」に変わった。

テレビは繰り返し速報が流れ、
わたしは右往左往するばかり。
入り込むテーブルを探せないまま、
変な揺れが来た。
思わずクッションを頭に載せて
ソファーの上にうずくまった。
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川崎の14階建マンションの2階の部屋は、
幸い何も倒れず異常はなかったが、
上の階では家具の倒壊やガラスの割れが
あったと聞いた。
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 1ヶ月後わたしは震災の日本を
あとにしたが、予定の直行便が往復とも
急遽、香港経由とシドニー経由に
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国外に出ると改めて核に対しての
拒否反応が強いことが解る。
世界に唯一つの被爆国日本が、
平和利用を掲げて核に無関心だった
ことを恥ずかしく思う。

狭い火山国に54の原発の存在
を知って唯驚くばかりだった。
被爆者の声なき声が聞こえて来るようだ。
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無知で平和ボケの自分に何が出来るのか
遥かなるパースで考えてしまう。
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# by ryot1125 | 2011-06-14 00:27
*掃除ロボット「ルンバ」のすばらしさ

掃除好きだったわたしが掃除機をかけるのが
嫌になってしまったのは、数年前からである。
妹が買った時には、 全く興味がなかったのに、
思いついて或る日急に購入した。
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「素晴らしい! 」と唯呟くばかり。
買わなかったことを後悔した。
押すだけで動き出し、電池が切れると
自動的に充電場所に戻る。
ベッドの下でもカーペットの上でも健気に働く
「掃除をしなければ……」と思うストレスが全くなくなった。
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わたしの熱弁を聞いて、息子の連れ合いが購入後、
疑問視していたパースの娘も買った。
「こんなに犬の毛が毎日取れるとは……」
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そのお陰で今年のパース滞在の仕事は少なくなった。
日本にいる時と同様に「ルンちゃん」に
話しかけながら楽をしている。
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アメリカ製だが、
何故もっと性能がいい日本製の『お掃除ロボット」が
出来ないのか疑問に思う。
わたしは、「ルンバはお掃除の革命だ」と思っているのに……
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# by ryot1125 | 2011-06-12 16:57